堂 
ファイアーエムブレム 聖戦の系譜 攻略 『裏』

縮緬聖戦劇場Vol.10 〜アイラの秘伝!〜
シグルド軍、拠点にて…
レックスには「お前に剣の才能は無い」って言われたけど、
そんなことで諦めるわけにはいかない。
兄上は「人に言われてすぐ諦めては何事も成せぬ」と言っていた。

この軍で剣技ならば、やはりアイラ殿に頼むのがいいだろうな。
 
あ、アイラ殿。僕に剣の稽古をつけてもらえないでしょうか?  
  それは…構わぬが…、アゼル殿は魔道士。
……剣の稽古など役に立たぬのではないか?
いえ、僕はクラスチェンジでマージナイトになりました。
これからは剣だって使えます。何卒ご教授お願いします。
 
  数刻後、訓練場にて…  
せい!やぁ!!とう!!!
せい!やぁ!!とう!!!
 
  駄目だ、キレが足りない!もっと素早く!!
剣の重さに振り回されているようでは攻撃が敵には当たらん!!
そこ!脇ががら空きだ!!相手に斬り込んだら、すぐ体を戻す!
私を親のカタキだと思ってもっと力を込めて打ち込め!
は、はいっ!…フゥフゥ。
せい!やぁ!!とう!!!
 
  (うーむ、いかんな…。)
(力強さ、技の切れ、切り返し、スタミナ…全て駄目だ。)
(そもそも剣の重さに負けていて、剣に力が全然乗ってない…。)
(このままでは素人が竹槍を持って敵に突貫するのと変わらん……。)
(うぅーーむ、どうしたものか……。)
はぁはぁ、うーん、なんか良いぞ。
体が軽くなった気がする…!これがイザーク流なのですね…!
これなら実戦でも剣を使えるに違いない。
ありがとうございます、アイラ殿!!
 
  ……!!!
(いかん、アゼル殿は本気で戦場で剣を試すつもりだ!)
(このままではみすみすアゼル殿を犬死にさせてしまう!)
(しかし、事実を伝えればきっとアゼル殿はすごく落胆する!)
(私は……ど、ど、どうすれば…、ええぃ!!)
   アゼル殿、待たれよ!!え、えーと、人は…誰でも、その…、
そう、自分に合った戦い方がある。
アゼル殿が遮二無二私の真似をすれば良いという話ではない。
即ち…、私には私の、アゼル殿にはアゼル殿の最善がある…!!
へっ!?は、はぁ。  
  よろしいか、これから言うことは命にかかわる。
心して聞くように。そして必ず守る事。
まず、アゼル殿にはこの剣を…。
へっ!?剣までくださるのですか?
本来なら僕の方がお礼をしなければならないと言うのに。
 
  そのようなことはどうでも良い!
とにかく、戦場では必ずこの剣
『だけ』を使うように!!
この剣はアゼル殿なら必ずこの私以上にうまく使いこなせる!!
使い方のコツは…、えーと、相手の攻撃が当たらぬ間合いを保って
『えい!!』と眼を閉じ気合いを込めて敵の方向に振り下ろす!!
一度振り下ろしたら、すぐさま後ろに素早く数歩下がり、
また相手に向けて眼を閉じ、『えい!!』と
気合いを込めて振り下ろす!!
そう、アゼル殿なら…魔法を撃つ塩梅で気合いを込める!
これはアゼル殿のための、アゼル殿だけの秘伝の型。
誰が何と言おうと気に病むことはない。よろしいな!?
…? は、はい。ありがとうございます。  
  後日、訓練場にて…   
  何ィ?アイラから剣技の秘伝を教わったから勝負だァ?
ったく、意外と無駄なことにこだわるんだなあ、お前も。
素直にいつも通り炎の魔法使っていれば良いものを…。
何でもそうやってムキになるの、お前の悪い癖だ。

…ま、いいだろう、お前程度なら真剣を使ってもなんてことは無い。
本気でかかって来い。俺はいつでもいいぜ。
よし、い、い、い、いくぞ、レックス。
剣でレックスを打ち負かすんだ。レックスに勝つんだ…。
まず、眼を閉じて、気合いを込めて……、
 
  おい、アゼル。何ブツブツ言ってるんだ…?
さっさとかかって来いよ。
えいっ!!!  
  ボウッ!!  
  何ッ!?くっ、ウワッ!!
数歩下がって眼を閉じて……、えいっ!!!  
  ボウッッ!!  
  うおわッ!ま、待てっ!
どうだ、レックス!!僕だって結構、様になってるだろ?
…ってあれれ?なんでレックス真っ黒焦げになってるの?
 
  ハハハ…。アゼル、お前の勝ちだ。
…やるじゃあないか。み、見違えたぜ…。
こ、これは僕が勝ったのか…!!
う〜ん、イマイチ実感が湧かないな…。
うん、でもまあいいや。
これがきっとアイラ殿の言う“僕だけの技”なんだろう。
俗にいう“無我の境地”ってやつかな!?
わはは!僕だってやれば出来るんだ!!
じゃあレックス、先行ってるよ。わはははは。
 
  ハハハ……。アイラの奴、さぞや手を焼いたんだろうな。
よりにもよって魔法剣に丸投げとはな。
ったく、アゼルめ、自分の力だと思い込んでやがる。
まったく、ハハ…、おめでたい奴だ。



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