【フェリシア×ハロルド C】
フェリシア
…………
(ハロルド、現れる)
ハロルド
…フェリシアくん。
何か落ち込んでいるようだが…
フェリシア
ハロルドさん…
ハロルド
私でよければ話を聞くぞ。
フェリシア
いえ、そんな…
ハロルドさんのご迷惑にはなりたくないので…
ハロルド
はははっ。
何を言うのだ。
元気のない仲間がいるときは
解決するまで付き合うのが私だ。
迷惑だなんてとんでもないぞ。
フェリシア
…そうですか…
では、お言葉に甘えて…
…………
私、メイドのお仕事が好きです。
大好きなんです。
でも…才能が無くて。
全然、向いていないんです…
ハロルド
君がメイドに向いてない?
まさか。
フェリシア
いえ、本当なんです。
だって、ついこの間も…
(マイユニット)様にお茶を
お出ししようとしたら転んでしまって…
思い切り(マイユニット)様に
熱いお茶をかけてしまいました。
(マイユニット)様は優しい方ですから
苦笑いして許してくださいましたけど…
ハロルド
…………
なんだろう。
この共感…ほとばしる親近感は…
フェリシア
ハロルドさん?
どうしたのですか?
ハロルド
い、いや。なんでもない。
それより、もっと話を聞かせてくれ。
じっくりと聞いてみたいのだ。
戻る
【フェリシア×ハロルド B】
ハロルド
フェリシアくん。
何をしているのだ?
フェリシア
ハロルドさん。
この間はありがとうございました〜。
私なんかの話を長々と聞いてくださって…
きゃあ!!
ハロルド
だ、大丈夫か。
フェリシア
…ごめんなさい、つまずいちゃって。
水をこぼさずに運ぶ
練習をしてたんですが…
なかなかうまくできないんです。
ハロルド
そうか。
わかった。私も手伝おう。
フェリシア
えっ、いいんですか?
ハロルド
もちろんだ。
私は暗夜王国一のお節介焼き。
徹底的に手伝うぞ。
フェリシア
ありがとうございます!
ハロルド
こういうのは面白いもので、
こぼしては駄目だと思ったらこぼすものだ。
だからあくまで気持ちは
軽くしておくのが望ましい。
私も何度となく人に飲み物をかけてきた。
だからとてもよくわかるのだよ。
フェリシア
えっ、ハロルドさんもですか!?
全然、そんな風に見えませんけど…
ハロルド
ははは。
少しタイプが違うが実はそうなのだ。
では、私が実演してみせよう。
少し離れて見ててくれたまえ。
私が向こうまでこの水を運んでみせる。
行くぞ。
…………
フェリシア
あっ、ハロルドさんの足下にバナナの皮が…
ハロルド
うむ、目視しているから大丈夫だ。
バナナの皮は無事に回避したぞ。
こんなものがどうしてここに…
と思ったところで仕方がない。
スッと目の前に不運が訪れるのが私なのだ。
フェリシア
あっ!
蚊の大群がハロルドさんのところに!
ハロルド
そうだ。
どこから現れたのかと心底疑問だが、
存在しているのだから仕方ない。
私は蚊に刺されまくり、
かゆくて水を手放したくなるが…
…私は負けないっ!
負けずに水を運び続けるのだ!
さらに進むと今度は…
フェリシア
す、すごいです。
ハロルドさん。
戻る
【フェリシア×ゼロ C】
フェリシア
さて、スープの盛りつけ完了…と。
あとはこれを皆さんのところに運ぶだけ…
こわごわ…こわごわ…
あ…あ、あ…
わーっ!!
(がちゃーん!)
(ゼロ、現れる)
ゼロ
…………
フェリシア
ゼゼゼゼ、ゼロさん…
大丈夫ですか!?
ごめんなさい…
すぐに拭きますので…
ゼロ
聞いていた。
フェリシア
えっ?
ゼロ
お前がとんでもない
ドジっていう噂だ。
しかし、まさか俺が熱々のスープを
ぶっかけられる日が来るとはねぇ…
そんなに俺を裸にしたかったのか?
フェリシア
???
ゼロ
…ちっ。
全く意味がわかってないようだな。
…まあいい。
とりあえず服を着替える。
フェリシア
は、はい!
本当にごめんなさい!
ゼロ
今から…ここで着替えるぞ?
フェリシア
は、はい、どうぞ!
ゼロ
全部脱ぐぞ?
フェリシア
は、はい!
急いで全部お洗濯しますね!
ゼロ
…………
…そこまで真面目に返されると興ざめだ。
やっぱり着替えはやめる。
大して濡れてもないしな。
フェリシア
あ、大丈夫でしたか?
良かったです…
戻る
【フェリシア×ゼロ B】
フェリシア
ゼロさん、少しよろしいですか?
ゼロ
ああ、なんだ?
フェリシア
デザートを持ってきました。
ゼロさんにだけですから、
皆さんには内緒ですよ?
ゼロ
どうして俺にだけ?
フェリシア
この間、ゼロさんに
スープをかけてしまったので…
そのお詫びです。
ゼロ
ああ、あのスープのことか…
それで俺にだけサービスってわけだな。
フェリシア
はい…こんなもので
許してもらえるかわかりませんが…
ゼロ
まあ、デザートならぶっかけられる恐れもないか。
もらっておこう。
フェリシア
でも今日は…
別のサービスもお持ちしました。
ゼロ
別のサービス?
フェリシア
はい。これならゼロさんに喜んでいただける
自信があります。
ゼロさんが昇天しちゃうような
すごいサービスです!
ゼロ
な、なに!?昇天!?
お前実は…そういうことができるのか!?
何もわからないフリをして…
大した奴だ。
フェリシア
ふふーん。見直しましたか?
ゼロ
ああ、完全に見くびっていた…
フェリシア
では目を閉じてくださいっ。
ゼロ
…こうか?
フェリシア
そのままじっとしててくださいね…
…………
ゼロ
ん…?
何か手に握らせたのか?
これは…
フェリシア
はい、もういいですよ!
目を開けてください〜!
ゼロ
…なんだこれ?
焼き菓子か?
フェリシア
はい!天国に行っちゃうくらい
おいしいと評判のクッキーです〜!
その名も、昇天クッキー!
ゼロ
…………
…お前、わかっててやってるのか?
フェリシア
???
何がですか?
ゼロ
とぼけたふりするな。
フェリシア
え?
昇天クッキー、だめでした…?
大丈夫ですよ?昇天と銘打ってはいますが
食べたら死ぬわけではありません…
ほ、本当に美味しいんですよ!?
ゼロさんもきっと気に入ります!
ゼロ
ったく…調子狂うぜ…
戻る
【フェリシア×ゼロ A】
フェリシア
ゼロさん、お茶をお持ちしました。
いかがですか?
ゼロ
いや、いらないぜ。
フェリシア
そうですか…ではまた別の機会に…
あ…あ、あ…
わーっ!!
(がちゃーん!)
ゼロ
…………
フェリシア
ゼゼゼゼ、ゼロさん…
大丈夫ですか!?熱くないですか!?
ゼロ
熱いねぇ…
全身がギンギンだぜ…
フェリシア
すぐに拭きますので…
ごめんなさい…
ゼロ
いいや。
今日という今日は謝っても無駄だ。
はっきり言わせてもらうがな、
俺はお前みたいな女を見てるとムカツクんだ。
フェリシア
えっ…
ゼロ
どうせお前は貴族の出かナニかで、
苦労も知らずにヌクヌクと生きてきたんだろ?
それでも邪な冗談が通じるならまだ許す。
顔を引きつらせてやる楽しみがあるからな。
だが、それも通じないほど鈍いと来た…
最悪の部類だ。
フェリシア
い、いえ…貴族だなんて…誤解ですよ…
私は氷の部族の出ですから…
ゼロ
…ん?
氷の部族と言えば…
ガロン様が無理矢理、
暗夜の支配下に入れたフリージアのことか。
フェリシア
はい。
私はフリージアの族長の娘です。
ゼロ
そうか。
お前のことだったのか。
人質としてフリージアから
暗夜に連れてこられたのは…
フェリシア
ひ、人質だとは思ってませんが…
ゼロ
そうだったのか…
…悪かったな。
さっきの発言は撤回させてくれ…
フェリシア
えっ?
ゼロ
…俺は生まれに恵まれなくてな。
だから、苦労知らずに育った奴を見ると、
ついいじめてやりたくなるんだ。
…だがすまない。
俺は大きな勘違いをしていた。
てっきりお前が温室育ちとばかり…
フェリシア
あはは。
温室どころか氷の世界で育ちました。
それに苦労知らずっていうのも
あながち外れでもないですし。
だって、ここでの生活はとても楽しいですから。
ゼロ
…そうか。
…それならまあいいんだが。
とにかくだ、悪かった。
お茶をぶっかけた件もチャラにする。
フェリシア
ほんとですか…?
ゼロ
だが、その前にちゃんと拭いてくれ。
フェリシア
ですよね、すぐに拭く物を持ってきますね。
あと代わりのお茶も持ってこないと!
ゼロ
拭く物だけでいいぞ。
お茶はもう結構だ。
戻る
【フェリシア×ゼロ S】
フェリシア
お呼びでしょうか、ゼロさん?
ゼロ
まあ、とりあえずそこに座れ。
フェリシア
は、はい。
わ、わかりました…
ゼロ
今日は俺がお茶を入れてやった。
フェリシア
え、ゼロさんがですか〜?
ゼロ
そうだ。
ちょっと待ってろよ。
(ゼロ、去る)
フェリシア
…………
(ゼロ、現れる)
ゼロ
待たせたな。
お茶とクッキーだ。
フェリシア
わぁ…
なんかすごいですね…
ゼロ
何がだ?
フェリシア
落っことさないで持ってくるなんてすごいなー
なんて思っちゃいまして…
ゼロ
はは。
お前と一緒にされても困る。
フェリシア
で、ですよね…
ゼロ
クッキーは例の昇天クッキーだ。
お茶は少し特殊なお茶になっている。
フェリシア
特殊なお茶…ですか?
ゼロ
中を見ればわかる。
フェリシア
えっと…
…あ!
あははははは〜!
ゼロ
どうした?
フェリシア
あ、すみません。
でも、ゼロさんもドジなんだって思って…
だって、見てくださいよ〜。
カップにお茶が入ってないですよ?
かわりにこんな指輪が入ってました。
ゼロ
いや、それでいいんだ。
フェリシア
えっ?
ゼロ
はめてみてくれ。
その指輪はお前への贈り物だ。
フェリシア
…えっ?
ダ、ダメですよ、そんなの…
こんな高そうなもの、
気軽にはもらえないですから…
ゼロ
気軽じゃない。
本気の指輪なんだ。
フェリシア…俺と結婚してくれ。
フェリシア
…えっ?
ゼロ
お前みたいな女は初めてだ。
いろんな意味でな…
気がつくとお前を開拓することが
俺の楽しみになってしまっていた。
だから、よかったら受け取ってくれ。
フェリシア
…………
…そういうことですか。
…わかりました。
では…こんな私でよければ…
ゼロ
よかった…。
…じゃあさっそく指輪をはめてくれ。
フェリシア
はい、よろこんで…
ゼロ
いいぞ。よく似合う。
必ず幸せにするからな。
俺が本当に天国に逝っちまうその時まで、
お前を守り続けると誓おう…
フェリシア
はい…
戻る
【フェリシア×ブノワ C】
フェリシア
はうあっ!?
ぶ、ブノワさん…
ブノワ
フェリシアか…
フェリシア
あ、あの…
そこを通りたいんですけど…
ブノワ
…………
フェリシア
お、お茶を運んでいるんです…
通っても…いいですか?
ブノワ
別に許可など必要ない…
好きにしろ…
フェリシア
あ、ありがとうございます…
では、失礼しますね…
ブノワ
…………
フェリシア
静かに静かに…
そーっと、そーっと…
ブノワ
…………
…ヘックシュ!
フェリシア
きゃあああああ!
(がしゃーーーん!)
ブノワ
…熱い。
フェリシア
ああああああ!
ブノワさんに熱々のお茶が!
ブノワ
…………
フェリシア
ご、ご、ご、ご、ごめんなさい!
ブノワ
…………
フェリシア
ひぃぃぃぃ!
ブノワさんが怒ってますぅ!
い、今すぐに
拭くものを持ってきますから!
だ、だから殺さないでくださいぃ!
私はまだ死にたくないんですぅ!
(フェリシア、去る)
ブノワ
…行ってしまったか。
…慌しいやつだ。
戻る
【フェリシア×ブノワ B】
フェリシア
はわわ!?
ぶ、ブノワさん…
ブノワ
…………
フェリシア
こ、この間は申し訳ありませんでした…
熱々のお茶をかけてしまって…
ブノワ
いや…
大丈夫だ…
フェリシア
ううう…
本当にすみません…
ブノワ
…………
フェリシア
あうう…
沈黙が怖いです…
ブノワ
フェリシアは…
俺を恐れすぎだ…
フェリシア
そ、そんなことありません!
私…
ブノワさんを怖がってなんて…
ブノワ
…………
フェリシア
ご、ごめんなさい!
正直に言うと…
少しだけ怖がってるかもしれません…
ブノワ
…………
フェリシア
ごめんなさいごめんなさい!
本当はものすごく怖がってます!
ブノワ
…なぜだ?
フェリシア
なぜって言われましても…
ブノワさんは…
いつも不機嫌そうなお顔をされてますし…
お体もとても大きいですよね…
だから、私なんか…
ぺろりと食べられちゃうんじゃないかと…
ブノワ
俺は…
人は食わん…
フェリシア
そ、そうですよね…
いくらブノワさんでも…
たまにしか召し上がりませんよね?
ブノワ
たまにも…食わん…
フェリシア
そ、そうなんですか?
ブノワ
ああ…
人を食ったことなどない…
フェリシア
それでしたら…
私、もっとブノワさんと
仲良しになれる気がします!
ブノワ
ふっ…
誤解は解けたようだな…
フェリシア
はいっ。
今まですみませんでした。
戻る
【フェリシア×レオン C】
フェリシア
きゃあああああ!
(がしゃーーーん!)
レオン
フェリシア。
また皿を落として割ったのか…
フェリシア
も、申し訳ありません!
レオン様!
レオン
…僕に謝られても困る。
フェリシア
ううう…
す、すみません…
レオン
…………
僕は今まで、何度も
お前が失敗する姿を見ている。
フェリシア
は、はい…
レオン
だから、はっきり言うよ。
フェリシア。
お前に使用人は向いていない。
フェリシア
そ、そ、そ…
そんなこと言わないでください!
レオン
でも、事実だ。
フェリシア
わ、私、もっとがんばりますから!
お願いですからここにいさせてください!
レオン
追い出しはしないけど…
困ったね…
戻る
【フェリシア×レオン B】
フェリシア
顔が映るくらい綺麗に拭いて…
物を運ぶときには慎重に落ち着いて…
(レオン、現れる)
レオン
フェリシア。
何をしているんだ?
フェリシア
あっ!
レオン様…
あの…その…
使用人としてのお仕事の
おさらいをしていました。
レオン
別に、使用人であることに
こだわらなくて良いよ。
お前には
どう考えても向いていないから。
フェリシア
あううう…
私、がんばりますから…
レオン
でも、安心するといい。
お前に向いている仕事を見つけた。
フェリシア
えっ?
わ、私に向いている仕事が…
レオン
調べてみて驚いた。フェリシアには
軍人としての才能があるようだね。
普段の姿からは想像できないほど、
戦場での活躍は目を見張るものがある。
フェリシア
は、はい…ギュンターさんにも昔…
そのようなことを言われました…
レオン
なら、何も問題はないな。
今日から使用人はやめて
軍人として皆の力になればいい。
フェリシア
…………
レオン
どうした?
嫌なのか?
フェリシア
戦場に出て闘うのはかまいません…
私もこの闘いには…
自分の意志で参加しているのですから…
レオン
ああ。
そうだね。
フェリシア
でも私は使用人でいたいんです…
みなさんのお世話は
上手にできないかもしれませんが…
それでも私は…
使用人でいたいんです…
レオン
…………
そこまで言うなら仕方がないな。
フェリシアの好きにすればいい。
フェリシア
はい!
私、一生懸命がんばりますので!
戻る
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