堂 
ファイアーエムブレム 聖戦の系譜 攻略 『裏』

縮緬聖戦劇場Vol.8 〜10000Gの美談〜
アグストリア、アンフォニー軍との戦いにて…
  道を開けろ!!
私の前をどかぬならこちらとて容赦はせぬ、行くぞ!!
おーっと待て。俺はベオウルフ。傭兵だ。
お前が指揮官だな?ふむ。
10000Gよこせばお前らの軍に寝返ってやろう。
 
  む、寡兵な我々の軍がアグストリア全土を敵に回すかも
しれぬのだが、それを承知の上で言っているのか?
当たり前だ。
今の腐りきったアグストリアに未来は無い。
そう冷静に判断した上で申し出ているのだ。
 
  …そうか、分かった。君を信じよう。
厳しい戦いになると思うが、宜しく頼む。
前金の10000Gだ。これで装備などを買い揃えて欲しい。
うむ、承知した。

(へへへ、ラクショーだぜ、いいカモだな)
 
  数刻後、城下町の武器屋にて…  
うーむ、この鋼の大剣は6000Gか。これは見事な剣だ。
今後の戦いのためにも是非とも欲しいところだが…、
生憎、金はもう無い。さてと、んー、どうしたものか。
 
  お、奇遇だなベオウルフ。君も武器屋に来ていたのか。
ん、手に持っているのは鋼の大剣。
そうか、やはり戦いのプロは武器には妥協しないのだな。
どうした、買わないのか?店主が怪訝そうな顔をしているぞ?
ぎくぅ!!
いや、ちと持ち合わせがなくてな…。
 
  はて?君にはついさっき
10000万G渡した気がするが…。
いや、前金は既に使ってしまったのだ…。  
  む、それはどういうことだ?
我が軍は本国より離れていて懐具合がかなり厳しい。
そうホイホイと戦に関係の無いことに
浪費されるようでは困るのだが…。
いや、あー、えーとだな、……、
そう、ここの領主マクベスが領民から高い税を絞り取ったり
よりにもよって山賊と結託して民を苦しめていたのは
貴殿とて知っていることだろう?
その窮状を見るに見かねて、オレは貴殿からもらった報酬を
即刻、全額近隣の集落に寄付してきたのだ。
 
  なんと、それは凄い!!そうだったのか…。
傭兵と言うとモラルの欠片もない低俗な輩が少なくないと
思っていた。すまない、どうかこの愚かな私を許してほしい。
君は崇高な理想を胸に戦っていたのだな。
い、いや。造作も無いことだ。貴殿が気に病むことはない。
オレは一介の傭兵で何の力も持たないが、少しでも
世のため人のために自分にできるだけことをしたまでだ。
(ヤ、ヤ、ヤバイ!!)
(俺が不祥事起こして傭兵隊の中に居辛くなったから)
(こっちの軍に逃げてきただなんて…)
(言えない。絶対に言えない…!!)
 
  いや、私は感動した。不覚にも目頭が熱く…。
報酬を全額寄付だなんて、なかなかできることではないぞ。
こんな美談を私の内だけに留めておくのは惜しい。
そうだ、明日の軍議にて皆に君のことを話すとしよう!
皆もさぞや感動することだろう!!
ハハ、柄じゃない。あんまり大袈裟にしないでくれよ。
(ヤ、ヤ、ヤメテ!超ヤバイ!!)
(数月前、近くの村で口説いた娘に子が出来て…)
(その慰謝料のために10000G全額消えただなんて…)
(今さら口が裂けても言えない……!!)
 



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