騎士たる者、力で相手をねじ伏せるだけが能であってはならぬ。
“慈愛”の精神を持つことが大切なのだ。
身分に驕る事無く、民を、人を愛さねばならぬ。
威張り散らすだけの騎士ほど無意味な存在は無い。
“じあい”とはいかなる物なのでしょうか？
『優しさ』、『思いやり』と言い換えることもできよう。
民あっての騎士、民あっての国なのだ。
また、騎士道とは我らの生き方そのものである。
剣を交える敵が相手でも正々堂々と構え、相手を尊重する。
敵と言えども相手もまた血の通った人間なのだ。
いかなる相手にも『思いやり』を持つことを忘れるようにな。
この槍は少し私には重過ぎるかもしれない…。
『おもいやり』を持つことが騎士には大切だと仰った…。
きっと、この槍を手に戦い続けることこそが
私にとっての騎士の修行の道なのであろう。
その首もらうぞ！！！
く、くぬっ、槍が重くて、うまく立ち回れない…！
やはり私には重過ぎるのか！？
えぇい、この手槍でも食らえッ！！
あぁ、キュアン様…。お手を煩わせてしまい申し訳ありません…。
む、どうしたのだ、その大振りな槍は？
その槍は見るからに先端に重心があるし、
そもそも重過ぎてまだ小柄なお前が手に取るのは早い！！
戦中に隙を見せれば命を落とすぞ！
お前には、私が以前やった『勇者の槍』があるではないか！？
この前、キュアン様はいかなる相手にも
“重い槍”を持て、と仰せでしたので……。
………フッ、それでこんな大ぶりな槍を。お前も馬鹿だな、
『重い槍』ではなく『思いやり』を持てと言ったのだ。
命懸けのギャグだな。堅物のお前がギャグなど。
まったく、肝が冷えたぞ。ははははは。
これはとんだお恥ずかしいところをお見せしまい…。
すみませんでした、一生の不覚です、はははは…。
